問18は、問17で「1 はい」と回答した24社に対して、「貴社が設置されているお客様(消費者)用のバリアフリー設備(従業員と兼用の設備を含む)にすべて○をつけてください」と質問した。【単純集計】の結果は、設置しているバリアフリー設備は、エレベーター(48.0%)、スロープ(48.0%)、多機能トイレ(44.0%)など確実に必要と思われるものから積極的に取り入れている印象を受けた。
規模別に見ると(表10-8)、 エレベーターの設置がいちばん面白く感じた。つまり、100人未満では60.0%、100〜299人では40.0%、300人以上では20.0%と規模が大きくなるにつれて、設置している割合が減少しているのである。
業種別に見ると(表10-9)、 消費者とあまりかかわることのない製造業ではやはり、多機能トイレ(33.3%)という基本的な装備しかなかった。卸・小売業やサービス業という顧客と直接かかわる業種では、例えば、エレベーター(卸・小売業50.0%、サービス業61.5%)と多機能トイレ(卸・小売業50.0%、サービス業46.2%)が他の業種に比べて充実していることがわかった。
創業年別に見ると(表10-10)、 概して早くから創業した企業と新しい企業でバリアフリー設備を設置している傾向が見られた。例えば、エレベーターは1969年以降(55.6%)と1949年以前(40.0%)では設置しているところが多く、1949〜1968年では37.5%しか設置しておらず、スロープは1969年以降(66.7%)と1949年以前(60.0%)では設置しているところが多く、1949〜1968年では25.0%しか設置していなかった。
問19はすべての方を対象に「バリアフリー対策の中で一番重要視していることは何ですか」と質問した。
【単純集計】の結果は、会社内の施設のバリアフリーの充実が34.8
%と一番多く、商品のバリアフリーの充実と消費者利用施設のバリアフリーの充実がともに14.1%であった。調査する前の予想では、消費者施設を一番重視しているかと思っていたが、会社施設を最重要視していたということに驚いた。
規模別に見ると(表10-11)、 会社内の施設は100人未満の企業(40.0%)と300人以上の企業(39.1%)では重視しているところが多かったが、100〜299人の企業では28.6%と重視しているところが少なかった。同様に、商品も300人以上(21.7%)と100人未満(20.0%)では重視しているところが多かったが、100〜299人の企業では9.5%と重視しているところが少なかった。
業種別に見ると(表10-12)、 製造業では顧客とのかかわりがないことからか46.7%と会社内の施設を重要視する割合が一番高いことがわかった。商品は26.7%と卸・小売業がいちばん力を注いでいた。
創業年別に見ると(表10-13)、 どこも会社施設をいちばん重視しているのだが、一番比率が高いのが40.7%と1949〜1968年に創業した企業だということがわかった。1969年以降に創業した企業では21.4%と商品にも力を注いでおり、最近の商品開発にはユニバーサルデザインのような誰にでも使える商品開発が必要なのかなと考えました。