國學院大學日本文化研究所編、発行:おうふう、2004年、A5判342頁

概要

 本書は平成15年に刊行された『日本の食とこころ』の姉妹編で、神饌に関するプロジェクトの成果刊行物である。『日本の食とこころ』はシンポジウムをもとにした成果であったが、本書はその成果をさらに展開させ、東アジアの食習俗にともなう精神性を明らかにすることを目的として企画された。9本の論文を収録している。対象地域は、中国北部、中国南部、台湾、モンゴル、韓国、沖縄、日本本土であり、それぞれの地域で調査を続けてこられた研究者が執筆をしている。

目次

発刊によせて(日本文化研究所所長 杉山林繼)
はじめに(齋藤ミチ子)

儀礼食・節句食のシンボリズムとアイデンティティ―中国北方漢族の場合(何彬)
祭祀と犠牲―ワ族の首狩習俗と犠牲牛を中心に(張正軍)
道教の祭りと供物―現代台湾南部の事例から(浅野春二)
モンゴルの祭祀と儀礼食(佈仁巴圖)
韓国シャーマンの儀礼食(金天浩)
沖縄のウミガメ捕獲儀礼と食習俗(藤井弘章)
産育習俗における儀礼食と食物禁忌―神奈川県央部の事例を中心に(野村みつる)
近代史から見たご馳走の今昔(小菅桂子)
神々の食膳(齋藤ミチ子)

あとがき
執筆者紹介