國學院大學日本文化研究所編、井上順孝責任編集、発行:新書館、1997年、348頁

概要

 國學院大學日本文化研究所設立40周年記念事業の一環として平成8年1月10~12日に開催された国際シンポジウム「グローバル化と民族文化」の報告と、これに関連して開催された平成7年度の公開学術講演の内容を収録したもの。グローバル化の信仰がもたらす伝統的な民族文化の変容を、宗教、家族・コミュニティ、言語の三つの面から議論。
英語版も同時刊行。

目次

 序章
  グローバル化と向かい合う民族文化(井上順孝)

 第一部
  シンポジウム開催にあたって(阿部美哉)
  ヨーロッパにおける文化のアイデンティティ(磯村尚徳)
  日中韓の文化原型の未来の展望(金容雲)
  激動する東南アジアの宗教情勢―国際化時代のタイの民族宗教(小野澤正喜)
  情報化とマルチメディア―バーチャル・リアリティの未来(西垣通)

 第二部
  情報化時代と宗教のグローバル化(井上順孝)
  台湾の民族言葉と文化の維持―社会言葉学的見地からの考察(曹逢)
  グローバル文化とマレー人へのその影響―家族とコミュニティ(周福堂)
  グローバル化における民族文化のボーダーレス化への提言―全体の統合と部分の尊重(レスリー・バウゾン)
  グローバル化とアジアの民族文化(小野澤正喜)
  アジア・セッション討議 グローバル化のパラドックス―画一化と差異化(笹尾典代)

 第三部
  現代ヨーロッパの宗教―グローバル化理論の妥当性?(リリアン・ボワイエ)
  グローバル化への挑戦としてのヨーロッパの多言語的伝統(ジャンヌ・パイフェール)
  ヨーロッパにおけるグローバル化・家族・共同体(オリヴィエ・ドルフュス)
  「グローバル・トライアド」―普遍と個別の綱引きをめぐって(ローランド・ロバートソン)
  グローバル化の明と暗(西垣通)
  ヨーロッパ・セッション討議 グローバル化の二重性と地域的差異(樫尾直樹)

  あとがき