中・近世神仏関係文献資料調査
- 調査日時:
平成19(2007)年10月24日から28日
- 調査地:
高野山大学図書館(和歌山県伊都郡高野町)
- 参加者:
太田直之
加瀬直弥
新井大祐
大東敬明
- 調査の目的:
本調査は、センターの研究事業『「國學院の史料と神道」-「『神道』に対する歴史的認識の研究」』に関する調査である。
「神道」の歴史を考える上で、とくに近世以前の仏教との関係を解明することは重要な課題である。
そのような仏教と密な関係を持った神道説の一つであり、真言密教との交渉の上で成立したいわゆる「両部神道」の存在は、夙に多大な関心の寄せられてきた問題であり、これまで久保田収、大山公淳といった先学らが、高野山に収蔵されてきた関連文献資料をもとに研究を進めてきた。
しかし、先学が見出され、紹介された文献資料については未だその目録等の公刊がなされていない。従って、中・近世の神仏関係の解明のためには、その所在と現状を把握し、全貌を知ることが重要と考え、それらの資料を一括して収蔵する当該図書館における収蔵資料調査を行うこととした。
- 調査の概要と今後の展望:
同館の分類における「神道」や「密教神道」などを中心に所蔵目録カードの調査と情報収集に努め、その概ねを収めることが出来た。
また、それらのうち、特に本学図書館所蔵資料と関係を持つと考えられる資料数点についてもあわせて調査を行なうことが出来た。
今後は、収集した情報の整理・体系化と、それを元にさらなる資料調査を行い、先学による研究成果との照会や本学所蔵の「両部神道」関係資料との詳細な比較を行なうなど、より具体的な研究を進める。
そして、それらの作業を通し、中・近世に、神道がいかに仏教教義へと受容され展開していったか、ひいては中・近世の「神道」がどのような思想的意味を持つものであったかを解明していく。
- 附記
本調査にあたり、高野山大学図書館より格別のご協力を賜った。
また、遍照光院住職・酒井道淳師より高野山の歴史についてご教授いただいた。
末筆ながら御礼申し上げる。 (文責 新井 大祐)
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