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2-2 重視している広告媒体(18)

大木 純

 

〔全体の傾向  〜まとめ〜〕

ここでは企業の重視する広告媒体について分析したい(18)。「重視していない」と答えたのはテレビが39.7%、ラジオが41.8%と、この2つは現在広告媒体としては注目されてはいないようだ。特にテレビは費用などの点を考えると重視されにくいのだろう。

インターネットは予想通り重視される傾向があった。「非常に重視している」が11.3%、「かなり重視している」が32.6%だった。

パンフレットは、自分の予想を見事に裏切られ、「非常に重視している」が18.4%、「かなり重視している」が39.0%と多くの企業が重要視する傾向にある。

インターネットによる宣伝は、様々な購買層への宣伝効果もあり、費用もあまりかからない為、重要視されるのは当然と思われる。ただし、消費者側が興味を持ち、そしてホームページなどを見てもらえないことには効果は上がらない。パンフレットの場合、数は限られるが、直接消費者の手にわたり見てもらうことができるという利点がある。

現代はIT時代などと言われ、パソコンによるインターネットが注目されているが、広告媒体についてはパンフレットによる宣伝効果が見直されているようである。

〔規模別にみた場合〕

テレビは1000人以上の大企業が弱冠重視しているようで、「非常に重視している」と答えたのは24.4%だった(2-2-1)。それ以下の規模の企業は重視してはおらず、300人未満の企業が53.1%、300〜999人の企業が40.0%だった。

ラジオ・ポスターはあまり重視される傾向にはないようだ。

インターネット。「かなり重視している」と答えたのは1000人以上の企業が43.9%で、その他の企業も多くが「かなり重視している」もしくは「どちらとも言えない」と答えている。インターネットについては、大・中・小どの企業でも重視されている。このことから、ホームページをすでに持っている企業、またはホームページを出すか検討中である企業は多いのではないかと考えられる。

パンフレットも重視する企業が多く、「かなり重視している」と答えたのは、300人未満の企業が32.7%、300人〜999人の企業が42.0%、1000人以上の企業が43.9%だった。

 

〔業種別にみた場合〕

テレビとラジオは似た傾向を示しており、重視されてはいないようだ(2-2-2)。特に建設業、法人向け製造業が「重視していない」と答える企業が多かった。

ポスターも重視されてはおらず、「重視していない」と答えたのは、建設業が33.3%、卸・小売業が41.7%だった。サービス業が25.8%で「かなり重視している」と答えており、弱冠だが重視する傾向がみられる。

インターネット。「かなり重視している」と答えたのは、建設業が16.7%、法人向け製造業が37.0%、個人向け製造業が29.3%、卸・小売業が41.7%、サービス業が35.5%となっており、建設業だけがあまりインターネットを重視してはいないようだ。

パンフレット。建設業は「非常に重視している」27.8%、「かなり重視している」33.5%で、個人向け製造業は「非常に重視している」22.0%、「かなり重視している」36.6%となっており、パンフレットは全体的に重視されている中でもこの2つの業種は特に力を入れているようだ。

 

〔業績別にみた場合〕

テレビ・ポスター。おおいに好調の企業で若干重視する傾向がみられる(2-2-3)

インターネット。好・不調関係なく全体的に重視されているようだ。

パンフレット。「非常に重視している」と答えたのは、おおいに好調が57.1%となった。逆に好調ではない企業は「非常に重視している」が25.0%、「かなり重視している」が50.0%となっており、不調企業では特にパンフレットが重要な広告媒体として考えられているようだ。

 

Copyright 2001, Atsushi Ohki

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