問2 販売・宣伝活動を行うとき重視している年齢層についても、「非常に重視している」と「重視している」とをまとめたものを『重視』、「あまり重視していない」と「重視していない」とをまとめたものを『非重視』という2つのカテゴリーをもうけた。また、問2についても無回答は%の計算から除去して計算した。
男性について『重視』という項目の累積パーセントをみてみると、20歳未満の29.1%に始まり、20歳台になると55.6%へ上昇、30歳台〜50歳台にかけて66.7%、69.2%、66.7%と高い数字が安定するが、60歳台になると53.8%と下降し始め、70歳以上では33.6%にさらに落ち込む(表1-2-1)。このことから男性に関しては『重視』されているピークが30歳台〜50歳台にあるということがわかる。これは所得と家族へのサービスが関係しているのか。
『非重視』という項目についてみてみると、20歳未満は47.9%と50.0%にちかいので、どちらかというと重視されていない傾向にあることがわかる。
女性に関しても男性と同じような傾向が現れている。そこで男性と比べてみると、20歳未満は33.9%、20歳台は56.9%と同年代の男性よりも高いが、30歳台〜60歳台までは63.5%、65.5%、64.3%、51.7%%と低くい。70歳以上になると再び女性の方が34.5%と高くなる。70歳以上で男性よりも高いのは、女性の方が長寿であるということも関係しているのか。
固有値が1以上の因子が3つ抽出された(表1-2-2)。バリマックス回転後の因子負荷量行列を見ると、第1因子では、男性の場合、30歳台の男性(0.881)、40歳台の男性(0.881)、50歳台の男性(0.789)、20歳台の男性(0.739)が、女性の場合、30歳台の女性(0.771)、40歳台の女性(0.699)、20歳台の女性(0.604)、50歳台の女性(0.575)が強い負荷を示した。このことから第1因子では、男女問わず20歳台〜50歳台にかけて、しかも男女で比べると、女性よりも男性の方をより対象としているということがいえよう。第2因子では、70歳台以上の男性(0.929)、70歳台以上の女性(0.920)、60歳台の女性(0.872)、60歳台の男性(0.854)が強い負荷を示した。このことから第2因子では、男女問わず60歳台以上を対象としているといえよう。第3因子では、20歳未満の女性(0.925)、20歳未満の男性(0.879)、20歳台の女性(0.706)が強い負荷を示したことから、若い世代を対象としているといえよう。
全体で『重視』が高いところを順に見ていくと、40歳台の男性(69.2%)、30歳台の男性(66.7)、50歳台の男性(66.7)、40歳台の女性(65.5)、50歳台の女性(64.3)、30歳台の女性(63.5)と、30歳台〜50歳台の男女が重視されていることがわかる。そのなかでも、女性より男性の方が重視されているようだ。この結果の対象年台は因子分析の第1因子と重なる。企業規模別でみてみると(表1-2-3)、男性の場合は1000人以上が最も高い数値を示し、次いで100人未満が高く、100〜299人と300〜999人ではあまり数値が変わらないという傾向がある。しかし、女性の方は傾向にばらつきがある。しかし、やはり1000人以上がかろうじて最も高い数値を示していることは共通している。ゆえに、どうやら女性の方はあまり傾向があるとはいえないようだ。業種別でみてみると(表1-2-4)、男女ともサービス、運輸・通信、製造の順で数値が高くなっている。
次に『非重視』を全体でみてみると、順に20歳未満の男性(47.9)、20歳未満の女性(41.7)、70歳以上の女性(37.9)、70歳以上の男性(37.1)が高い数値を示している。このことから、まず若年者層が、次いで高齢者層が重視されていないことがわかる。若年者層と高齢者層という固まりで考えてみると、それぞれ第3因子、第2因子の年台と重なる。企業規模別でみてみると、20歳未満の男性では100人未満(50.0)が最高だが、最低の1000人以上(42.1)と比べても、大きな差が開いていない。20歳未満の女性でも同じ傾向が出ている。70歳以上の男性をみてみると、100〜299人(46.2)と300〜999人(41.9)にはあまり差は無く、また、1000人以上(26.3)と100人未満(24.0)にもあまり差は無い。70歳以上の女性をみてみると、最も高い100〜299人(46.2)と最も低い1000人以上(27.8)までの間に散らばっている。業種別では、20歳未満の男性と70歳以上の男女では製造、運輸・通信、サービスの順で高い数値が出ているが、20歳未満の女性では運輸・通信と製造の順が入れ替わっている。特に70歳以上の男女特に製造が高くなっているといえる。
30歳台〜50歳台にかけて重視されていることがわかった。なかでも男性の方が重視されているようだ。逆に重視されていないのは若年者層と高齢者層であることがわかった。これは企業規模別でみても業種別でみてもいえることである。
Copyright 2003, Miura Yuuko