國學院大學      國學院大學中国文学科

セメスター留学たより<7>
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中国文学科セメスター留学(10月の便り

 (学生からの便り)                 

秋色に染まる木の葉と新開湖   新開湖の辺で趣味の楽器演奏
 

 中国に来て、折り返しの二ヶ月間が過ぎました。中国・天津は日に日に寒くなり、まるで冬のようです。前回は勝山さんが学習の様子をお知らせしたので、今回はセメスター留学を考えている学生にとって勉強に次ぐ懸案とも言える、中国での生活について紹介をします。

 最近の中国で思い浮かぶのは、やはり中国産の食品や品物の問題です。当地でNHKのニュースを見、アメリカで中国製プラスチック製容器に多量の鉛が含まれていて、回収になったことを知りました。中国の実情を知らない人がそのニュースを見れば、誰もが不安に感じるでしょう。

しかし、中国で実際に暮らしてみるとまったく気にならなくなってしまいます。それで何か重大で取り返しのつかないことが起きているかと言われると、暮らしていくことにまったく不便はありません。もちろん、それでは解決になっていない、不安は消えていないという指摘もあるかと思いますが、「いちいち気にしてもしょうがない」という考えにだんだんなってくるものです。

私たちセメスター留学生は、留学前に少なくない不安を抱えていましたが、二ヶ月たった今、皆が中国に来て本当によかったと思っています。中国語を教えてくれる語学パートナーをはじめ、中国人の友人の多くはみなとても「熱情(親切)」です。最初は少しとっつきにくそうな印象がありますが、一度友だちになってしまえば、家族のように親身になってくれます。人によっては、同年代の語学パートナーだけではなく、私たちの宿舎である愛大会館で働いている職員の方や、阿姨(アーイー・中国語でおばさんの意味ですが、私たちの部屋の掃除をしたり、生活のいろいろな世話をしてくれます)と良い友だちになって会話したり、贈り物をしあったりしています。そうやって日常的に中国人と触れ合うことによって、私たちの会話能力はどんどん向上しています。会話能力について不安を持っている日本の学生は多いかと思いますが、慣れてしまえば生活することに苦労はありません。

私たちに中国語を教えてくださる先生方は、授業中に汗をかくほど一生懸命に授業をしています。最初は聞き取れるかどうかが不安でしたが、私たちがわからない文章は何度も繰り返して丁寧に教えてくださり、次第に聞き取れるようになります。10月末の聴力・会話能力テストの結果を通知する際、先生方は、個人個人を評価し、励ます内容のメッセージを出してくださいました。私は、先生方が学生一人一人を気にかけているのだと感じ、とても感動しました。

しかし、学ぶには非常に良い環境の中でも、やる気の有無によって結果は当然変わってきます。やる気とは、話そうとする努力、聞こうとする努力を含めた、学ぼうとするあらゆる努力です。せっかくの良い中国人の友だち、素晴らしい先生たちに恵まれたとしても、そういった努力なしでは良い結果が出ません。セメスター留学を考えている方に是非考えてもらいたいのは、「自分がこれから何をしたいか」ということです。特に中国語が好きでなくとも、こちらに来て中国語がおもしろいと感じるようになった参加者は多くいます。今、中国語が好きか嫌いかの問題ではなく、中国に来て何ができるのか、何をするつもりなのかをよく考えることが重要だと思います。セメスター留学によって、日本に居ては絶対に出来ない有意義な体験ができるのは間違いありません。しかし、目的意識を持つことによってさらに濃密な留学生活を送れるかと思います。

 10月下旬に単位認定試験がありましたが、休む暇もなく一週間後にはまた単位認定試験があり、その後2週間後には、来年度の協定留学の関門というべきHSK汉语水平考・中国語の能力を測るために設立された国家レベルの標準化試験)があります。勉強と現地学生との交流にとても忙しく、一日一日が長く感じますが、11月に入った今、残りの2ヶ月はすぐに過ぎてしまうように思います。

「もう2ヶ月」「まだ2ヶ月」、感じ方はそれぞれですが、これ以上ないほどに努力して、良い成果を携えて帰国できるよう頑張りたいと思います。
                                      (古河記)


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