中国文学科セメスター留学(11月の便り)
(引率者からの便り)
セメスター留学は、三ヶ月目が終わり、残すところ一ヶ月となった。真夏の厳しい暑さの季節に南開大学へ来て以来、現在、キャンパスの木々の葉は落葉し、早や木枯らしの吹く冬の景色となり、時の流れの早さを感じている。
太極拳は、週二回、早朝六時四十分から行われるが、気温は零下2〜3℃位まで下がり、まだ夜は明けきらず、薄暗い朝霧がたちこめる中で学生、引率者は手袋、防寒服で身を包み、眠気と寒さを我慢しながら必死にがんばっている。
二日(金)には、平成17年度に南開大学交換留学生として、一年間、本学で学んだ張暁霞氏が教鞭を執る天津理工大学外国語学院日本語学科3年生15名と学生交流を行った。セメスター留学参加者が南開大学に来た当初は、南開大学学生に対する態度がどことなくぎこちなかったが、今では何も臆することなく活発に交流している光景を見ると頼もしささえ感じる。
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天津理工大学学生との交流会
三日(土)には、先月より引き続き行われている「漢語節」の文化祭の一環として「国内外文化上演会」が南開大学東方芸術大楼で午後五時三十分から二時間にわたり実施された。このイベントは、各国の留学生と南開大学学生による中国文化と外国文化の相違を演出するもので、出演者は、12組にもなり国際色豊かな歌舞楽曲が披露された。本学からは、加藤君が韓国の留学生と司会をつとめ、木村、二瓶、平沼君が中国武術の型の実演、次いで木村君が太極剣(長剣)の演武を行い、会場からは盛大な拍手喝采が、湧き起こり、大変見事なものであった。
漢語節文化祭司会者加藤君(右端) |
演武披露(右から二瓶・木村・平沼君) |
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七日(水)には、大班(大クラス)の天津博物館見学。この課外授業は、見学後、「天津博物館の印象と理解」について教室で学修した語句や語法を使って日記を書き、各自が小班(小クラス)で発表する実践中国語の授業の一環として実施された。
小班授業 →
八日(木)には、第三段階(第五単元・第六単元)の試験が行われた。試験前になると深夜まで教室で集中して勉強する学生がおり、感心させられる。
HSK(漢語水平考試)の補講は本日で終了。これは10月15日から始まり、週二回(月・木)全八回行われた。特に月曜日は、早朝六時四十分から夕方五時四十分まで太極拳、授業、補講と学生にとって大変厳しい一日になったが、11月25日に実施されるHSKの試験結果の成果が期待される。
九日(金)には、第三段階(第五単元・第六単元)の試験結果の発表。学生たちの成績は、単元の試験ごとに平均点が上がり、最終の単位認定試験では、全員が八十点以上になるよう願っている。
また、同日午後6時から南開大学伯苓楼で「漢語節」の「国内外詩歌朗読発表会」が行われ、加藤君が第三位に入賞し、本学学生の活躍ぶりには目を見張るものがある。
十四日(水)には、南開大学主楼小礼堂において、「漢語節」の最後の企画として、中国国内で著名な歴史学院孫立群教授が「中国文化の源流と流れ」という題目で講演を行い、会場は立錐の余地もないほど大盛況であった。
十六日(金)には、午後六時から古い友人でもある日本研究院宋士勇副院長の粋な計らいで研究院の学生と本学学生とのカラオケ交流会が研究院の会議室で行われた。最初のうちは、どことなく遠慮がちで、ぎこちない雰囲気であったが、進行係をつとめた青木、藤田両君の名(迷)司会により盛り上がった。
←日本研究院でのカラオケ大会
若さと熱気に包まれた両大学カラオケ交流会の最後は授業で習ったケ麗君(テレサテン)の「甜蜜蜜」という歌をお互いに肩を組合ながら参加者全員で合唱し、和やかな雰囲気のうちにお開きとなった。毎日の勉強や単元試験、様々な行事等で疲労やストレスが溜まっている学生にとって絶好の息抜きの機会となり、帰りの道すがら交流会の余韻が覚めやらず歌を口ずさむ者さえいた。
十七日(土)には、オリエンテーション部が企画した南開大学の語学パートナーを交えたボーリング大会が六チーム編成で天津市内の吉利娯楽場において行われた。最初は、久しぶりのゲームのためか球がまっすぐに行かず、ガータに落す者が多かったが、次第に慣れてくるとストライクが出始め、そのたびごとに大歓声が上がり、南開大学語学パートナーとの息も合い素晴らしい交流会となった。
ボーリング大会
二十二日(木)
には、午前中、第七、八単元の小班クラスの口語(会話)と大班クラスの聴力(聞き取り)の試験が実施された。
二十五日(日)には、午前九時から午前十一時三十分まで、中国語を母国語としない人を対象にHSK(漢語水平考試)の試験が行われた。本学学生は、第二教学主楼で受験した。受験者は、南開大学だけで約二千名にのぼり愛大会館の教室にも朝早くから日本人、韓国人留学生等が来場し、緊張した雰囲気に包まれていた。
夕方からは、愛大会館一階の餐庁で、恒例となった生活部企画の十一月に誕生日を迎えた学生の誕生会が行われた。
最近、愛大会館、専家楼周辺の給水管の取替え工事をやっており、時々部屋のシャワーの温水が出ないことがしばしばであった。本日二十七日、フロントの服務員と接待中心の部長が事務室まで来室し、給水管の取替えのため、今日から五日間ほど給水停止と代替のシャワー室の提供を申し出てきた。愛大会館の水は、飲むことができないのは最初から承知していたが、洗濯すると白い衣服は黄色に染色したようになり、捨ててしまうことがたびたびであった。ここは、中国で「何でもあり」と納得しているものの釈然としない感じが残る。
三十日(金)には、学修体験活動の一環として天津天士力製薬股份有限公司見学。
(下山記)
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