源氏物語の本文資料の再検討と新提言のための共同研究

■ 研究の特色

 

 

 

 

 
 

この研究の特色は、写本レベルで、『源氏物語』諸伝本の本文を比較・考察できるところにあります。それによって、諸本間の本文の違いを、表現の質的な差異にまで言及していくことが可能となります。そのためのデータとして、『源氏物語』の本文を文節の単位に区切って、それぞれを比較することで、諸本がどのような位置関係にあるのかを見ることができるようにします。

以上のことから、池田亀鑑の3分類説に対する見直しと、新分類説の提案が可能となり、『源氏物語』の本文研究を大きく推し進めることが想定されます。そのために、まず「河内本」の再検討と再定義から進めていきます。

また、データベースを活用した本文の客観的で実証的な研究方法や、行間への書き入れ注記から見た諸本間の相互関係の解明も、新たなアプローチと言ってよいでしょう。さらには、写本「大島本源氏物語」を詳細に読み直すことによって、『源氏物語大成 校異篇』の「本文」の問題点が析出され、併せて『源氏物語大成』を底本とする現在の活字校注本への見直しも可能となるはずです。

本研究の最終的な目標である、『源氏物語』諸本の新たな分類概念については、共同研究会を重ねて検討を加え、各自が研究を深めた上で、新たな提言をしていくことになります。それは、70年以上も停滞していた『源氏物語』の本文研究を活性化させることでもあります。それを可能にするためにも、全国各地の研究者と情報を共有する研究基盤を構築することが必要であり、それは本研究の重要な意義であり、特色であります。

 
 

 

 

 

 

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画像提供:國學院大學図書館

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