源氏物語の本文資料の再検討と新提言のための共同研究

■ 研究計画

 

 

 

 

 
 

*|*|*  平成19年度 研究計画  *|*|*

まず、平成19年度には、以下の項目を実施します。

 〔1-2〕 河内本の再検討

 〔1-3〕 諸伝本間の位相の視覚化

 〔1-4〕 定家本本文と注釈の生成過程

 〔2-2〕 国内でのテーマ別地区研究集会の開催 (中国・四国・九州地区)

 〔3-1〕 源氏物語本文のデータベース構築

 〔3-2〕 構築過程でシステムを設計

上記のそれぞれの実施項目に関する研究計画と方法は、以下の通りです。

 ◆〔1-2〕 河内本の再検討

平瀬本および國學院大學所蔵古写本等のデータベース化を通して、以下の問題を考察する。

・河内本と言われている本文の実態確認と、その生成過程。

・河内学派の京都方(素寂)と鎌倉方(光行・親行)の内容的相違。

 ◆〔1-3〕 諸伝本間の位相の視覚化

 ◆〔3-1〕 源氏物語本文のデータベース構築

 ◆〔3-2〕 構築過程でシステムを設計

上記の3課題に関して、『源氏物語』の古写本文のデータベース化を進め、異文判定作業を行います。そして、本文の客観的な異同傾向を探求します。本文を読むという行為を通しての本文の位相の考察がもっとも重要なことであり、その両面からのアプローチが、ここでの研究課題です。

 ◆〔1-4〕 定家本本文と注釈の生成過程に関する研究

定家本の本文と註釈の生成過程を「自筆本奧入」、「尊敬閣文庫本・明融臨模本・大島本」、「増補本奧入」の比較検討から、定家の註釈生成と本文生成を解明。

 ◆〔2-2〕 国内でのテーマ別研究集会の開催 (中国・四国・九州地区)

平成19年度には、中国四国九州地区を対象とした講演・シンポジウム・研究発表会の開催を予定しています(会場:福岡女子大学)。内容は、研究代表者・連携研究者によるシンポジウム、外部からの講演、若手研究者による研究発表で構成。この研究集会を母体として、『源氏物語』に関する研究支援体制の組織化を推進します。

*|*|*  平成20年度 研究計画  *|*|*

本年度は、前年度を継承した研究活動を展開することになります。
この年度の特色は、海外(イタリアを予定)での共同研究集会を実施することです。 平成20年は、『源氏物語』が生まれて千年を記念する年であり、5月に開催される「中古文学会」(龍谷大学)では、「源氏物語1000年記念大会」として、さまざまなイベントが用意されています。
国文学研究資料館でも、10月に「(立川移転・開館記念)特別展 源氏物語」が計画されています。そのような中で、海外においての研究集会は、意義深いものとなるはずです。

*|*|*  平成21年度 研究計画  *|*|*

本年度も、前年度を継承した研究活動を展開することになります。
基本的には、これまでに継続してきたことと、持ち越された課題を扱います。異なるのは、〔2-2〕国内でのテーマ別研究集会の開催が、近畿中部と、関東と、年に2回行うことです。また、前年度にシステム設計を終えたのを受けて、本年度から公開用閲覧検索システムの開発と運用を始め ます。

*|*|*  平成22年度 研究計画  *|*|*

この研究の最終年度にあたります。
これまでの研究テーマによる成果を整理し、報告書にまとめます。そして、『源氏物語』本文の分類に関する新提言を行うことになります。その新提言の討議を前提とした国内でのテーマ別研究集会の開催(関東以北)では、これまでの問題点の整理と、これから取り組む課題、及び将来的な展望についても重要な課題となります。
また、前年度に開発したシステムをもとにした『源氏物語』の研究支援体制の組織化と、本文資料の共有化に関わる基地となるウェブサイトを、ここで最終的な運用実験をして、正式に公開することになります。
このウェブサイトによる、研究体制・研究環境・情報の共有が、有効に活用されることで、『源氏物語』の本文に関する研究は、大きく進展することになります。さらには、情報センターとしての国文学研究資料館をミラーサイトとすることにより、海外を含めたより多くの研究者の利用を可能にする状況を作り上げることに努めたいと思います。

 
 

 

 

 

 

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画像提供:國學院大學図書館

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