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1-1 Local Area Network (LAN)の導入(問1〜問4)

本田 直敏

1-1-1 Local Area Network (LAN)の導入(問1)

 全体の傾向

この質問について全体のうち、「はい」と答えたのが85.9%、「いいえ」と答えたのは13.5%であった。もはや、LANを敷くことは珍しいものではないと読み取れる。そして、「いいえ」または「無回答」の20社を対象として「今後、貴社でLANを導入する予定はありますか」と質問した結果、今後、LANを導入する予定があるという回答が50%、導入する予定がないという回答が40%、となっていて、おおよそ五分五分であった。

【規模別】

  規模別に見てみると (1-1-1)、正規従業員数が1,000人以上のところについては、92.7%LANを導入していると回答し、次いで300999人については86.0%、300人未満は79.6%、という結果であり、若干ではあるが規模と比例した結果となった。

  SQ(1-1-2)について。LANを現在は導入していないが、今後、導入する予定があると回答したのは、1,000人以上のところでは66.7(無回答が33.3)であり、このSQに回答した企業全てがLANを導入する予定があるという結果であった。そして、300999人、300人未満についてのLANの導入予定が、「ある」・「ない」は半々であった。

【業種別】

  業種別に見ていくと(1-1-3)、卸・小売業のほとんど(95.8%)LANを導入していると回答した。

さらに、SQでは(1-1-4)今後、LANを導入する予定があると回答したのは100%であった。サービス業では87.1%、法人向製造では88.9%、でLANを導入している。

【業績別】

  業績が「おおいに好調」のところは100%LANを導入しているという結果であった(1-1-5)。さらに、LANを導入していないところでは、業績が「好調ではない」(25.0%)という結果であった。

安易な推測ではあるが、LANの導入は業績に多少とも貢献しているのではないだろうか。

 

 

1-1-2 LANの導入時期(問2)

   問2から問4までは、問1で「はい(LANを導入している)」と回答したかまたは無回答であった122社を対象とする設問であり、問1で「いいえ(LANを導入していない)」と回答した19社は非該当となる。

全体の傾向

  この質問については、「35年位前から」と回答したのが48.4%と、全体の約半分を占めた。次に多かったのは「5年以上前から」(33.6)、「2年前よりも最近」と回答したのは16.4%と、割合少なかった。

【規模別】

  規模別についてみてみると(1-1-6)、従業員数が1,000人以上のところについては、「5年以上前から」と回答したのが53.8%と、規模が1,000人以上における全体の約半分を占めた。300999人、300人未満のところについては、どちらとも「35年位前から」と回答したのがそれぞれ全体の約半分であった。

【業種別】

  業種別にみても、「35年位前から」と回答したところが、各業種における全体の約半分である(1-1-7)。卸・小売業(60.9)、サービス業(51.9)、法人向製造業(52.0)、建設業(42.9)

という具合である。

【業績別】

  業績が「おおいに好調」というところで、「5年以上前から」LANを導入していると回答したのは57.1%で、6割を占めた(1-1-8)。そして、業績が「好調である」というところで、「35年位前から」導入したと回答したのは60.6%と、6割を占めた結果となった。

 

1-1-3 LANを導入した理由(問3)

全体の傾向

  この質問は複数回答が可能である内容で、一番多く回答されたのは、「データの一元管理による各種業務のスピードアップのため「(820)であり、次いで、「データのリアルタイム性・最新のファイルを操作可能」(64.8)、「分散処理による処理のスピードアップ」(52.2)であった。どれも、LANの最大の利点であるところに注目したい。さらに、4割ではあるが「周辺機器の共有でのコスト削減」についても、LANの果たす役割は大きいのではないだろうか。

【規模別】

  規模別では、1,000人以上のところで、「個人情報の相互活用」と回答したところが約5割で、300999人や300人未満のところに比べ多かった(1-1-9)。その他は、特に業種別において大差はなかった。「データの一元管理による各種業務のスピードアップのため」については、どの規模を見ても8割弱〜強が回答をしている結果である。

【業種別】

  業種別にみてみると、「周辺機器の共有でのコスト削減」についての回答で差が出ている(1-1-10)。建設業では64.3%で、個人向製造業では57.6%であるのに対して、その他の業種では、卸・小売業(17.4),サービス業(29.6),法人向製造業(36)という結果であった。

(業績別】

  業績が「おおいに好調」というところで、「データの一元管理による各種業務のスピードアップのため」と回答したのは100%であった (1-1-11)。さらに、「周辺機器の共有によるコスト削減」についての回答では、「おおいに好調」というところが57.1%で,」好調」というところが51.5%,「良くも悪くもない」というところが45.5%と、回答のパーセンテージが徐々にではあるが下がっている。一方、「あまり好調ではない」というところでは25%,「好調ではない」というところでは20%という結果であった。業績が芳しくないというところの方がコスト削減などには積極的であると推測していたが、その逆である結果であった。

 

1-1-4 LANの導入後の変化(問4)

全体の傾向

  この質問も複数択一方式の多重回答がであり、「情報管理が容易に行えるようになった」と回答したところが約7割であった。次いで、「いつでも最新のファイルが操作可能となった」が65.6%、「分散処理のスピードアップになった」が54.1%という結果になった。

LANを導入した理由とLAN導入後の変化(結果)との関係】

  LANを導入した理由である(問3)の質問と、LAN導入後の変化(結果)である(問4)の質問とで、クロス集計を行った。後述する変数間にはχ二乗値検定の結果5%水準以下で統計的な有意差が認められ、ある目的(理由)でLANを導入ところでは、当該の目的にかなうような結果をあげることができた企業が多かった、という結果が得られた。
 「処理のスピードアップのため」(問3-1)と「分散処理のスピードアップにつながった」(問4-1 (1-1-12)との関係は、処理のスピードアップを意図していなかった(=導入理由ではない)58社のうちの82.8%が処理のスピードアップという結果につながらず、処理のスピードアップを導入理由とした64社では87.5%が処理のスピードアップという結果を成しえていた。
 「データの一元管理による各種業務のスピードアップのため」(問3-2)と「情報管理が容易に行えるようになった」(問4-3(1-1-13)との関係についても、データの一元管理による各種業務のスピードアップを意図していた100社のうちの74.0%が「情報管理が容易に行えるようになった」という結果を達成していた。
 「データの一元管理による各種業務のスピードアップのため」(問3-2)と「いつでも最新のファイルが操作可能となった」(問4-4(1-1-14)との関係についても同様に、データの一元管理による各種業務のスピードアップを意図していた100社のうちの70.0%が「いつでも最新のファイルが操作可能となった」という結果を達成していた。
 「いつでも最新のファイルが操作可能となるため」(問3-3)と「いつでも最新のファイルが操作可能となった」(問4-4(1-1-15)との関係、および、「周辺機器の共有でのコスト削減のため」(問3-6)と「コスト削減になった」(問4-2(1-1-16)との関係についても、それぞれ目的と結果とには5%水準以下で有意差が認められた。

Copyright 2001, Naotoshi Honda

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