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 日本文学専攻  

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日本文学の世界 2003.3.20掲載

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タイトル!

  文学研究とは?

 

           執筆担当  近世文学 岡田 哲

  

    文学作品を〈読む〉ことは、〈文学研究〉の中心となるものです。しかし〈読む〉行為は、「読もう」という意志さえあれば、誰もが、いつ・どこでも自由にできるものです。それを大学の文学科で、あえて〈研究〉として、何故行わなければならないのでしょうか(「文学」という語の意味は、元々文学作品に限定されていたのではないのですが。)
 また文学科を卒業した後、そこで得たことが直ちに社会で使えると、はっきりと実感できるでしょうか。全ての人が作家の道を選択するわけではありませんので、私の教師経験からしても、むしろ役に立たないと考えている人の方が多いように思います。
 以上のことをまとめると、次のように言えるでしょう。つまり「文学研究は、日常の生活行為と密接に結びついているが、ただし特定の分野と結びつく実用学ではない。」
 このことは〈文学研究〉を行う上で非常に大切なことだと思われます。日常の生活行為と離れることは、現代の今生きている私たちとは関係を持たないと言うことです。つまり学問としては生きていない、もしくは学問のための学問になってしまっているといえるわけで、私たちの日常の文学作品を〈読む〉行為と無縁の〈研究〉があれば、それはむしろおかしいのです。また特定の分野に結びつかないからこそ、私たちは人間生活の基本である〈言葉〉について、自由なアプローチが可能になります。〈言葉〉は私たちの生まれる以前に既に「型」として存在し、大きな制約を私たちに課しています。私たちが物事を考えるということは、制約の強いその言葉を使うということなのです。〈言葉〉と格闘しなければ、新しい思考なぞ生まれません。
 〈文学研究〉は、新しい思考を生み出す学問なのです。