タイトル! |
近代文学の研究について |
執筆担当 近代文学 田村圭司 |
青木 | 秋澤 | 秋葉 | 石川 | 岡田 | 須藤 | 辰巳 | 傳馬 | 豊島 | 針本 | 松尾 | 山岡 |
国文学は、江戸時代までの国学を基礎に、西洋に学びつつ体系をなす文献学、言語学、哲学、歴史学、社会学などの諸学に補強され、日本の文学を研究対象として出発した、明治以降の学問分野である。その中にあっても、日本の近代文学を考察の対象とする研究は、学問と認知されてから日が浅い。その特色は、作者と作品自体が近代化を目指し西洋を参考に自己形成を果たして行くのと、ほぼ同時の進行を保ちながらながら、研究者と研究もまた西洋を参考に手探りの形で自己形成を進めてきたところにあるといって良い。古典文学研究の場合、研究者が、日本社会で形成されていた作者と作品を対象にするのとは少し違って、近代文学研究の場合は、研究者が、同時代の中で形成されつつある作者と作品を研究の対象とするのである。 |