-
太平山
鶴岡市(→「鶴岡」参照)西部、高館山(→「高館山」参照)東南麓に位置する丘陵。標高50m。かつては武藤氏(→「武藤家」参照)の居城である尾浦城があった。現在その城址は大山公園となっている。
-
金峰山
鶴岡市(→「鶴岡」参照)南西部にある山。標高458m。金峯山とも。山頂に金峯神社を祀る。様々な信仰を集める山であり、死者の霊が籠るとされる。
-
庄内平野では巫女のことを、神様というのであります。
庄内地方の巫女については、公の祭事を行う「神みこ(鈴とりみこ)」と、死霊や生霊をよせる行為である口寄せを行う「町みこ」とに分類される。巫女の呼称は東北地方に限っても様々あり、盲目で修行を経て巫女になった者は「イタコ、エジコ、オガミサマ、ワカ」、修行を行わず独自のプロセスを経て巫女になった者は「カミサマ、ゴミソ」と呼ばれ、前者は口寄せをする、後者はしないという特徴が本来はあった。しかし、近代になるにつれ呼称は混同され、巫女の呼び方は地域での評判に拠るところが大きい。分類に関わらず、人々の会話の中で「イタコ、カミサマ、エジコ」などと混同して呼称が用いられる場合がある。
-
秘密
大日如来の教え、すなわち密教を指す。空海や円仁・円珍によると、密教は最高深遠で、境地に達したものでなければ容易に知ることのできない教えとされる。
-
西目(人物)
モデル不明。
-
セッター
鳥猟犬。体高は55㎝~65㎝。名称は、猟鳥を発見するとその前で伏せる(set)ことに由来する。イングリッシュ、アイリッシュ、ゴードンなどの種類がある。
-
お葉
モデル不明。
-
羽前大山駅
山形県鶴岡市(→「鶴岡」参照)大山(→「大山」参照)にある駅。大正8年(1919)に国鉄陸羽西線の駅として開通された。大正14年(1925)には支線となる赤谷線の開業に伴い、羽越本線(→「羽越本線」参照)の駅となる。
-
洗い張り
和服を洗う方法。着物などの形になっているものを全部解き離して、糸くずやごみを除き、洗濯をする。そのあと、のりをつけて、板に張るなどしてしわをのばし、乾かす。第二次世界大戦までは家庭ですることが多かったが、現在は染物屋、関西では悉皆屋に依頼することが多い。
-
安
モデル不明。
-
『ハーメルンの笛吹きじさまの話』
ドイツ中北部にある町、ハーメルンで起きた子どもの失踪事件をもとにした伝説。グリム兄弟の伝説集やロバート・ブラウニングの詩『ハーメルンのまだら色の服を着た笛吹き男』などによって現代にまで伝わっている。
-
湯殿山に詣ったことを思い浮かべました。あれはだだが十五のときでした。
山に登って生まれ変わるという出羽三山信仰(→「出羽三山」参照)における成人儀礼のひとつ。男子が十五歳になると出羽三山に参詣しはじめて一人前になるという。「十五歳の初参り」、「初お山」などと呼ばれる。(→「湯殿山」参照)
-
六十里越街道
山形県の庄内地方と内陸部を結ぶ街道。古代から開かれたと伝えられる。主なルートとしては、鶴岡(→「鶴岡」参照)から松根、十王峠(→「十王峠」参照)、大網、田麦俣、湯殿山(→「湯殿山」参照)、大岫峠を越え、志津、本道寺、寒河江を通り山形盆地に至る険しい山岳道であった。近代以降、幾度か改修が重ねられ、昭和56年(1981)には大岫峠の南西方、大越峠を経る国道112号が開通した。山形市を起点にして鶴岡市に至る内陸横断路線で、現在は「月山道路」あるいは「月山花笠ライン」と愛称されている。
-
十王峠
庄内地方と内陸を結ぶ六十里越街道(→「六十里越街道」参照)で通る峠。赤土で滑りやすい難所であったと言われる。現在は三基の地蔵尊が建っている。峠上からは、東方に月山(→「月山」参照)・湯殿山(→「湯殿山」参照)や鷹匠山(→「鷹匠山」参照)と大網地区、西方には庄内平野(→「庄内平野」参照)を一望できる。庄内地方方面から峠を越した所は、湯殿山大日如来(→「胎蔵界大日如来」参照)の聖域として畏敬されていた。
-
注連寺
鶴岡市(→「鶴岡」参照)七五三掛の東北に位置する真言宗の寺で開基は弘法大師空海とされている。山号を湯殿山(→「湯殿山」参照)とし、本尊は湯殿山の本地仏、大日如来である。湯殿山信仰の中心寺院として栄えていた。鉄門海上人(→「鉄門海上人」参照)の即身仏が安置されている。
-
大日坊
鶴岡市(→「鶴岡」参照)大網にある真言宗豊山派の寺院。湯殿山表口別当滝水寺金剛院大日坊と号する。本尊は湯殿山大権現。古来より湯殿山(→「湯殿山」参照)が女人禁制だったために、湯殿山大権現を招き、 またお沢八万八千仏を祀って女人の湯殿山礼拝所(湯殿山全てを祀る寺)として建立したのが寺の源である。真如海上人の即身仏を祀っている。旧地は旧六十里越街道(→「六十里越街道」参照)、関谷からの街道、県道𣗄代大網線で囲む地域にあったといわれるが、昭和11年(1936)に、地滑りのため現在地に移転している。
-
鷹匠山
鶴岡市(→「鶴岡」参照)南東部にある山。標高736m。山名は、かつて領主であった最上氏に仕えた鷹匠達が住んでいたことに由来するという。
-
塞ノ神峠
大網と田麦俣を結ぶ峠。標高512m。「塞の神」とは悪霊や邪鬼の侵入を防ぐ防塞神のこと。旧六十里越街道(→「六十里越街道」参照)として栄え、当時は峠付近に掛茶屋や塞の神を祀る祠があったという。塞ノ峠。
-
仙人岳
湯殿山(→「湯殿山」参照)の北西にある山。標高1265m。西面を六十里越街道(→「六十里越街道」参照)が通る。仙人嶽。
-
仙人沢
湯殿山(→「湯殿山」参照)北麓から流れる梵字川の上流に位置する修験道の行場。湯殿山の宝前の手前には仙人沢祈禱所があり、行者たちはそこで木食行(→「木食参籠」参照)を行った。仙人沢祈禱所の近くには、今もいくつもの行人碑が残されている。
-
胎蔵界大日如来
母胎によって子が養育されるように、慈悲によって衆生を包容するとされる教え。大日如来とは真言密教の教主のことで、万物の根本仏とされる。智恵を表す金剛界大日如来と理を表す胎蔵界大日如来の二つがある。
-
宝冠
修行者の被り物。ときん呼ばれる頭巾が一般的であり、長頭巾や折頭巾がある。出羽三山信仰(→「出羽三山」参照)の一般信者が被るのは長頭巾の方である。覆面状に素肌を覆い、猛暑や吹雪を避けたり、けがをした時には包帯として代用したりなど、様々な用途がある。
-
木食参籠
修験道における修行の一つ。出羽三山(→「出羽三山」参照)のこの修行では、仙人沢(→「仙人沢」参照)で垢離をとり、五穀、十穀を断つ木食行を行い、一日三度の湯殿宝前への参詣を日課とし、一千日以上の行を積んだ。
-
餓鬼
梵語「プレータ」の漢訳。薜荔多(へいれいた)と音写。死後、飢えと渇きの世界に堕ち苦しむ亡者。その世界を餓鬼道という。飲食しようとすると飲食物が炎に変わるため、飢えと渇きが続く。また、やせ衰えた人、飲食物を貪る人、いたずら好きな子供を指す。
山形県の方言では「女の子」という意味があり、卑語として遣われる。庄内地方の方言では「がきびら・がきべら」と言う。 -
さあさ まかしゃれお行さま
童歌。子供たちがお山参りの御行様の後について歌い、御行様の腰につけた一文銭を撒いてもらっていた。